お知らせ News

事務局開室時間変更のお知らせ

2020年12月16日 11時16分

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、筑波大学では在宅勤務及び時差出勤を活用しています。
国内・県内の感染状況が拡大傾向にあることから、下記のような事務局対応とさせていただきます。
ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

期間:2020年12月17日(木)~
事務局開室時間:平日10:00~15:00

*卓上パーテーションごしに、対面式の窓口対応が可能です。
*入室の際はマスクの着用をお願いいたします。
*メールは、随時お受けいたします。
*事務室内の人数を制限するため、対面で5分以上の会話が予想される場合は、オンライン会議の予約をお願いいたします。
*新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、開室時間が変更となる可能性がございます。

事務局では下記のような感染予防対策を行っています。

*スタッフの健康管理・手洗い・こまめな換気
*手指消毒液の設置・ドアノブ等の定期的な消毒
*テレワーク・ローテーション勤務・オンライン会議

何卒よろしくお願い申し上げます。

自然保護寄附講座事務局


[In English]
It is a notice from the Office of Certificate Programme on Nature
Conservation.

To prevent the spread of new coronavirus infectious diseases, University of Tsukuba uses work-at-home and staggered hours.
Since the infection situation in Japan and the prefecture is increasing, we will respond to the following secretariat.

We appreciate your understanding and cooperation.

Period: From Thursday December 17 2020
Office opening hours: Weekdays 10:00-15:00

*A face-to-face contact is available through the table partition.
*Please wear a mask when entering the room.
*Emails are accepted at any time, and telephone calls are accepted only
during the above hours.
*In order to limit the number of people in the office, please book an online.
meeting if you expect more than 5 minutes of face-to-face conversation.
*Opening hours may change depending on the spread of the new coronavirus infection.

The office has the following infection prevention measures.

* Staff health management, hand washing and frequent ventilation
* Installation of hand antiseptic solution, regular disinfection of door
knobs, etc.
* Telework, rotation work and online meeting

We apologize for the inconvenience and thank you for your cooperation.

Office of Certificate Programme on Nature Conservation

【インターンシップレポート】「国際記念物遺跡会議」藤井郁乃

2020年12月7日 15時54分

人間総合科学研究科 世界文化遺産学専攻 藤井郁乃

2019年9月から2020年3月にかけて、フランス・パリに所在を置く国際記念物遺跡会議(以下ICOMOS)の事務局にてインターンシップに従事しました。本稿では、期間中の業務内容および所感を報告します。

1. ICOMOSとは

ICOMOSは150か国以上の10000人を超えるメンバーから成る国際NGOで、文化遺産の保護に関わる活動を行っています。第二次世界大戦で各国の文化遺産が破壊、遺失されたことを受け、ユネスコで記念物保存に関する国際機関を設置する構想が生まれました。この構想は「ヴェニス憲章」にまとめられ、文化遺産の保存や復元、発掘に関わる基本精神を示すものとして1964年に正式採択されました。ICOMOSの設立はこのヴェニス憲章の上に成り立つものです。

ヴェニス憲章の精神は世界遺産条約に受け継がれており、世界遺産条約が成立した1972年から一貫して、ICOMOSは諮問機関として世界遺産の審査やモニタリングに関わっています。

2. ICOMOSでの業務

ICOMOSではAdvisory & Monitoring部に所属し、多岐に渡る業務に関わらせていただきました。ICOMOSで世界遺産に関わる業務を大きく分けると世界遺産リスト登録前と後に分かれます。私の所属した部署は主にリスト登録後の世界遺産の保全状況に関わる業務を担当する所ですが、近年のICOMOSの業務の増加に伴って、世界遺産リスト登録前の段階に関わる業務も行うようになっています。本報告では、関わらせていただいた業務のうち特に印象に残っているものを紹介します。

2.1 遺産の保全状況報告書(State of Conservation report, 以下SOC)に関わる業務

ICOMOSでは、世界遺産リストに登録された遺産の保全・管理状況について通年の監視を担当しています。その中で、保全状況に課題を有する世界遺産については、委員国にSOCレポートの提出を要請し、これを以て遺産の置かれた状況を判断しています。ICOMOSからの報告を受けた世界遺産委員会が、際立って重大な危機にあると判断した遺産が「危機遺産リスト」に登録されることになっています。私は各国から提出されるSOCの集計や現地調査の手配に携わらせていただきましたが、SOCに限っただけでもその業務量に圧倒されました。ICOMOSが監視する遺産の数は現在でも800を超えていますが、世界遺産の登録数の増加に伴ってその数は年々増えています。さらに、昨今の都市開発やオーバーツーリズム、相次ぐ自然災害などで保全状況に課題を有する遺産も増加しており、それに伴う委員国とのSOCのやりとりや現地調査数の増加によってICOMOSの業務も相対的に増加傾向にあります。一方でUNESCOの深刻な予算難によってICOMOSの予算状況が厳しいこともインターン中に伝わってきました。限られた予算と人員で、ICOMOSは年々増加する業務をこなさざるをえない状況になっています。

2.2 アップストリームプロセスに関わる業務

アップストリームプロセスは2015年から始まった新しい世界遺産に関わる新しい仕組みです。アップストリームによって、委員国は世界遺産への推薦手続きの中で諮問機関と対話を重ね、登録のための課題や諮問機関の意見を確認することができるようになりました。これまでの制度では、諮問機関の評価を得ることができるのは表面的には世界遺産委員会の直前のみだったので、アップストリームは委員国が遺産を世界遺産に推薦するか否か、諮問機関の意見を交えながら判断できるようにしたものと言えます。

私は数件のアップストリームに関わらせていただきましたが、莫大な費用と時間がかかる世界遺産の推薦に際し、事前に諮問機関の反応と感触を掴んでおけるというのは委員国側にとって大きな好機になると感じました。諮問機関にとっても全体としての評価プロセスが長くなり時間的な猶予ができるといった利点がある一方で、アップストリームの際に出した意見が世界遺産の登録審査に係る最終的な評価に関わってくるというプレッシャーが付き纏います。また、アップストリームの段階では委員国が諮問機関に提供する遺産に関する情報が十分にまとまっていないことを踏まえると、諮問機関側には豊富な知識を有した評価者の選定が求められるという難しさを感じました。

2.3. 世界遺産センターでの経験

6ヶ月間のインターン期間中には、パリのユネスコ本部の敷地内に拠点を置く「世界遺産センター」にも訪問させていただきました。SOCに関する世界遺産センターとICOMOSの会合に同行したり、NGOをはじめとする世界遺産関係者による現地報告と諮問機関との情報交換を行う「World Heritage Watch forum」に参加させていただきました。これらの経験は、世界遺産が国や大陸を超えた遺産保護のフラグシップであることを改めて強く実感させてくれるものになりました。

3. インターンシップのまとめ

ICOMOSで勤務できたことは、「世界遺産学」という学際的かつニッチな学問に足を踏み入れた自分の遺産保護に対する向き合い方を大きく見直す経験となりました。世界遺産条約には多くの問題が指摘されています。年々数が増え続ける遺産の管理、諮問機関の事前評価が委員国のロビイングで覆される事例の増加、グローバルストラテジーに反して拡大傾向にある地域差など、枚挙に遑がありません。しかし、今回のインターンでは、制度の重要な担い手であるICOMOSの業務が逼迫した状況であることを痛感しました。主に自然遺産を担当する諮問機関のIUCNも「世界遺産の信頼性の担保のために、制度の抜本的な改革と、複雑化・増加する業務に対応するさらなる時間が必要 」と述べているように、現在の枠組みを継続する限界が近付いてきています。

世界遺産条約の採択から48年が経ち、世界遺産を創り上げてきた方々が一線から退かれる今、世界遺産学を学ぶ身として、今後の世界遺産がどうなるか、どうしていくかを考え続けねばならないと感じました。世界遺産条約を巡る動きを、運営の主体であるUNESCOの内部から見れたこと、運営に伴う課題を見れたことは、自身の論文執筆の大きな糧になると感じています。

4. インターンシップ業務以外からの学び〜ストライキと新型コロナウイルス 

今回のインターンシップの滞在中には、フランスで過去60年間で最大規模のストライキと新型コロナウイルスという大きな出来事を経験しました。ストライキは、マクロン政権が示した新しい年金制度にフランス国民が反意を示したもので、パリ市内では12月から1月中旬にかけて多くの公共交通機関が運行を休止しました。通勤や日常生活にも支障が出るものでしたが、それに関してICOMOSの同僚が「今不便を怖がっていたら、今後何十年も我慢を続けねばならなくなるかもしれない。だからフランス人はデモにも参加するし、デモが原因で生じる困難には寛容なのよ」と言っていたのが印象的でした。昼食時でも政治の話はよく話題に上がりましたし、専門知識や年齢や党派に関わらず、ざっくばらんに各自の意見を交換し合う姿を初めて見ました。ICOMOSのインターンシップに参加できたことで、世界遺産条約の動きを内部から見れたことに加え、政治参加という観点で自分の時間の使い方が大きく変わるきっかけとなりました。

新型コロナウイルス(COVID-19)に関しては、自宅勤務が余儀なくされたことや帰国時における影響は多々ありましたが、何より印象に残っているのは公共交通機関利用中や歩行中に「コロナ」と呼ばれるなど被差別者として扱われたことです。フランスは人口の約10%が移民と言われており、世界でも屈指の移民大国として知られています。街を歩けば世界各国の露店が並んでいますし、服装も肌の色も様々な人々が歩いていて、多民族国家を地で行く印象を受けます。私はアジア人、その中でも日本人であり、フランス社会における構成割合は0.07%と圧倒的マイノリティでありますが、フランスで自分がマイノリティであると感じることはありませんでした。誰も私に気を留めることがないのです。しかし、新型コロナウイルスが拡大傾向になってから、公共交通機関で私の近くに席を取る人が減り、道端ではコロナと呼ばれる機会が生じました。未知の物体や出来事は、安易に人々の分断を招くのだということを我が身を通して感じました。明白な差別を向けられた体験は胸に重くのしかかるものでありましたが、そういった時に変わりなく接してくれる方々や励ましてくれる同僚の存在がいかに有難いものであるかを実感しました。これから日本で生活していく限り、民族という括りで見れば私はマジョリティに属して生活していくことになります。どの社会においてもマイノリティに属する人々は存在しますし、謂れもない差別の対象になりがちでもあります。自分がマイノリティとして生活したフランスでの経験を、この社会のマイノリティの人々に向けることで、社会的な分断に抗っていきたいと思いました。

公開講義「保護地域管理論」

2020年11月24日 09時33分

下記の概要で公開講義を行います。ご関心のある方はぜひご参加ください。

日時:11月24日(火)12:15~13:30

場所:筑波大学 人文社会学系棟B216セミナー室

講演者:
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 
農業環境変動研究センター 環境情報基盤研究領域
農業空間情報解析ユニット  専門員
David  Sprague 博士

テーマ:「屋久島で見た日本の国立公園」

自然保護セミナー in 筑波山

2020年11月10日 17時15分



10月25日(日)に自然保護セミナーのエクスカーションで筑波山を訪れました。
筑波キャンパスから見える馴染みの山ですが、実は麓まで20キロ程度離れているため、学生たちも意外と訪れる機会が少ない場所だったりします。
とても天気に恵まれ、絶好のエクスカーション日よりになりました。
ロープウェイとケーブルカーを乗り継ぎ、筑波山を満喫しました。


杉原先生がジオパークガイドとして地質・植生・文化について楽しく案内してくださいました。
日英併記のパネルを使った解説で、留学生にとっても理解しやすかったと思います。
地形地質について知識が少ない私にとっても、ものすごく分かりやすく、筑波山への理解が深まりました。
久しぶりに天気の良い休日だったので、観光客も大勢来ていて、観光と自然保護の両立の難しさも感じることができました。



また、スペシャルゲストとして、つくば市ジオパーク推進室室長も参加していただき、ジオパーク登録の裏話や苦労話を聞くことができました。
残念ながら参加者は少なかったのですが、その分沢山の時間を共有することができ、それぞれの興味関心に合わせた筑波山の魅力を再発見する機会となりました。


文責:武 正憲