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【インターンシップレポート】「株式会社ピッキオ」折戸咲子

2020年3月4日 14時00分

生命環境科学研究科 山岳科学学位プログラム 折戸咲子

1.はじめに
2019年7月22日から8月5日にかけて長野県軽井沢町にある株式会社ピッキオ(以下ピッキオ)のインターンシップに参加してまいりました。

ピッキオは軽井沢でエコツアー事業とツキノワグマ保護管理事業を行う企業です。ツアーの受付場所のビジターセンターには標本や自然に関する本が置かれています。また、イカルカフェが併設されていて、一休みしながら本を読んだり、目の前の池の風景を楽しんだりすることができます。エコツアー事業では「森と森に生きる動植物を未来に残していきたい」という思いのもと、「森の価値を高める」ことを目的として、生き物の営みの不思議を解き明かすネイチャーツアーや、子どもたちや家族に向けた自然体験プログラムなどを行っています。同時に、「人の安全を守ること」と「野生のクマを絶滅させないこと」の両立のため、軽井沢に生息しているツキノワグマの個体ごとの調査やベアドッグでの追い払いなど、駆除に頼らない方法を用いたクマの保護管理事業も進めています。

2.インターンシップの内容
ピッキオではピッキオビジターセンターに隣接している軽井沢野鳥の森にて、多様なツアーを実施しています。今回このインターンシップにて私はガイドの方に様々なお話をしていただきながら野鳥の森をめぐるネイチャーウォッチングや、ムササビの滑空を観察するムササビウォッチング、1日かけて森の中を探検する小学生向けのプログラムなど、実に様々なプログラムに研修生として参加させていただきました。今回このレポートではその中でもネイチャーウォッチングとこども冒険クラブについて紹介したいと思います。


写真:野鳥の森 (撮影:折戸咲子)

まず、「野鳥の森ネイチャーウォッチング」について紹介します。

私はまずインターンシップの研修生としてネイチャーウォッチングに参加しました。内容は主にガイドの方の補助であり、参加者の方々のお名前の確認や備品の貸し出しなどの受付業務から始まり、ツアー開始後は参加者の一番後ろについて時には質問に答え不確かなことはガイドの方に確認しながら、安全にツアーが進行する様に努める補助を行いました。研修生としてツアーに参加したときは小学生以下の子供たちも参加しており、また家族での参加であったためツアーの最初はガイドの方のお話が主となって進み、後半になりようやく子供たちからも質問が出るようになりました。後日同じガイドの方のネイチャーウォッチングに、研修生としてではなく参加者として参加しました。研修生として参加したときとは異なり大人の方のみのネイチャーウォッチングであったため、ツアー開始直後から質問の数も多く、ガイドの方の説明もより専門的で詳しい説明が多くなりました。ネイチャーウォッチングではセンサーカメラの動画を用いて実際にその場に来ていた動物の様子を見てもらうといった工夫の他に、子供たちが参加しているツアーでは簡単なクイズを出して答えを考えてもらう、大人の方のみのツアーでは植物の特性についての図解を詳細な説明を交えて行うなど、参加している方の年齢層やニーズに合わせて、説明を柔軟に変えていることがわかり、大変勉強になりました。

次は、「こども冒険クラブ・森を探検!けもの道をすすめ」について紹介します。

このプログラムは小学校1年生から6年生までの子供たちが保護者と離れ、初対面同士の子どもたちが協力して野鳥の森や近くに流れる湯川にて1日を過ごすプログラムです。このプログラムを通じて子供たちには森の中の様々な動物の存在を感じてもらい、また仲間との協力により今まで経験したことのないような様々なミッションを通じて達成感を得てもらうことを目的としています。このプログラムでは私を含めた研修生やガイドの方はあくまで補助として子供たちの後ろにつくだけであり、プログラム内のミッションは子供たちが自分たちの力だけで乗り越えていきます。ミッションには火おこしなども含まれており、最初は火を怖がり消極的な子であっても、周りの子供たちやガイドの方の補助もあり最終的に自分の力だけで火をつけることができるようになります。火をつけることができたときの輝くような笑顔が見られたときはこちらまで嬉しくなります。その火を用いてお米を炊きお昼ご飯を食べるのですが、その時口いっぱいにほおばった嬉しそうな顔を見られたことは、私にとっても貴重な体験となりました。

3.感想
 参加者の年齢やニーズに合わせて、どのように自然を楽しみまた自然に対して理解を深めてもらえるかということは、実際に研修生の立場として参加しなければわからないことでした。実際にスタッフの方の工夫の仕方や説明を聞いて、より深い知識がなければかみ砕いて説明することは難しいということも実感しました。またエコツアーはほぼ全て野外にて行われます。悪天候により、時にはエコツアーの取りやめによる返金対応など、自然を相手にしていることによる運営上の難しさも研修生として参加しなければわからないことでした。このインターンシップに参加したことにより、簡潔に伝える難しさや、人と自然との共存を目指すピッキオの方々の熱意や運営する上での様々な工夫、苦労を学ぶことができました。この貴重な体験を今後自分の将来に生かしていきたいと思います。
このたびはインターンシップを受け入れ貴重な体験を享受させてくださったピッキオの皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

【インターンシップレポート】「つくば市ジオパーク室」Okin Yllah Kang

2020年1月31日 16時42分

I.Intern: OKIN YLLAH KANG, master’s student in environmental sciences

II.Hosting organization: Mt. Tsukuba Area Geopark. It was founded in September 2016 and took the place of the 41st Geopark in Japan. Mt. Tsukuba Area Geopark covers a region of 6 cities: Ishioka, Kasama, Tsukuba, Sakuragawa, Tsuchiura and, Kasumigaura, all located in Ibaraki prefecture. The importance of the region is based on some Geo heritage representative in Japan such as:
-The Kanto plain (largest plain in Japan)
-The lake Kasumigaura (second largest lake in Japan) 
-Tsukuba mountain or Mont Tsukuba (one of the hundred famous mountains in Japan)

III.Internship objectives: As a student in Nature conservation Program, I am interested in tourism, ecotourism and protection of natural sites.  I had the opportunity to have a short-term internship in Mt. Tsukuba Area Geopark, where my assignment was to assess some touristic sites under its circumscription and, give my point of view as a foreigner. I assessed 6 geo-sites during the internship:

1.Mont Tsukuba (Tsukuba and Keisoku massifs zone) 
2.Sakayori and shiio (Tsukuba and Keisoku massifs zone)
3.Yamanosho (Tsukuba and Keisoku massifs zone)
4.Kasama basin (Tsukuba and Keisoku massifs zone) 
5.Kamigo (Kanto plain zone)
6.Ayumizaki, sakihama, kawajiri (Lake Kasumigaura zone) 

IV.Work experience: the kick-off day of the internship was a meeting with the hosting organization, where I had to present my internship plan, objectives and chosen sites for assessment. To reach the fixed objectives, I visited all the cited sites using a prospectus called travel and earth, provided by the hosting company. I was spending days in sites, taking pictures, talking to people and checking if the site is convenient for a foreign person unable to speak Japanese language. My main targets or criteria to assess the site were the accessibility (transportation wise), communication with the staff, provided activities, clarity of information, brochures and directions, access for people with low mobility, toilets and smoking areas, etc.

After each visit, I had to provide a report to my supervisor at Mt. Tsukuba Area Geopark.
At the end of my internship, I presented in front of Mt. Tsukuba Area Geopark staff members and CPNC professors, about the assessment results, my point of view about each visited site, the strong and weak points. I also wrote a final report that was received and checked by Mt. Tsukuba Area Geopark staff members.

This internship gave me the opportunity to connect theoretical lessons to practical ones and challenge myself in thinking broadly when it comes to geo-sites value and maintenance.




Photo: Mt. Tsukuba Area Geopark Office 


Assessment report. (It is a 38-page report, and the above image is a part of it.)

【インターンシップレポート】「林野庁国有林野部」木村祐貴

2020年1月22日 14時52分

「自然を守るために、自然を知って貰う」

生命環境科学研究科 生物資源科学専攻 木村祐貴

この夏、私は林野庁 国有林野部 経営企画課 国有林野総合利用推進室でインターンシップを体験させていただきました。この部署は、主な業務として国が管理する国民の森である「国有林」の管理方針の決定、また国有林の観光利用の推進や普及啓発、レクリエーション利用に関する仕事を行っており、通称レク室と呼ばれています。

今回のインターンでは、私は全国のレクリエーションの森のなかでも、特に優れた自然景観を有し、観光資源としての潜在能力が高いとして、平成29年に全国で93箇所選定された「日本美しの森 お薦め国有林」の広報業務として、パンフレット作成や広報誌の文章校正、またPR用動画の作成を担当させていただきました。

今回のインターンを振り返ると、自然保護に関連した公務員の仕事を実際に体験することができただけでなく、自然を守っていく上での「自然の価値を知って貰うこと」の重要性も共に学ぶことができたと感じています。今回私が担当させていただいた業務は、自然保護寄附講座で日頃学んでいるような直接的な自然保護を行う業務というよりは、自然の持つ美しさを一般の方々に発信し、知って貰う仕事が主となります。そのため、当初私は、今回のインターンは自然保護とは少し異なった分野の体験になると考えていました。しかし実際に仕事を体験してみると、そもそも自然を保護するためには、大前提として多くの人達にその美しい自然美や生態的な価値を知って貰う必要があることや、単に保護するだけではなく地域社会の観光資源として利用していくことが重要になることを思い知りました。すなわち自然保護のためには、保護したい気持ち以上に、まずその自然の価値を多くの人達に知ってもらい、使っていく努力が重要になるということです。一般的に自然保護というと、インターン参加前の私のように、国立公園や自然保護区のようなイメージが真っ先に浮かぶかもしれません。しかしそういった自然保護の裏側には、そこに至るまでに多くの人々がその自然の美しさや生態的な価値を理解し、また地域社会の努力によって観光産業が発達した背景があるからこそ、今日、美しい自然が残る場所として有名な地域となっているのだと考えます。

最後となりますが、お忙しい中、丁寧に業務の指導をしていただきましたレク室の皆様に心より感謝申し上げます。人生の大きな分岐点となる就活の前に、自身の自然保護に対する考え方が大きく変化する貴重な体験をすることができ、大変勉強になりました。
またこの記事を読んでいる皆様、ぜひ一度「レクリエーションの森 林野庁」でgoogle検索をして、身近にある美しい国有林を探してみてください!
  

第5回自然保護セミナー5th Nature Conservation Seminar

2019年12月27日 16時30分



日時:2020年2月4日(火)13:00~15:00
Date: Tue. February 4, 2020 13:00~15:00
場所:筑波大学 人文社会学系棟B 216号室
Venue: Humanities and Social Science Bldg B 216, University of Tsukuba

自然保護セミナーは筑波大学自然保護寄附講座が主催する公開セミナーです。自然保護寄附講座の履修生だけでなく、どなたでも自由にご参加いただけます。
Nature Conservation Seminar is an open seminar organized by the Certificate Programme on Nature Conservation.  

Contact:筑波大学大学院 自然保護寄附講座 事務局(共同研究棟A 202)
Office of the Certificate Programme on Nature Conservation (Cooperative Research Building A 202)
TEL: 029-853-6344

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