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【インターンシップレポート】「IUCN2018」藤井郁乃(2)

2019年2月22日 17時16分

人間総合科学研究科 世界遺産専攻 藤井郁乃


0. はじめに
こちらに着任してから3ヶ月が経過しました。3月は「東からの野獣」と称される猛烈な寒波が東欧から押し寄せ、温度計がマイナス25度を記録しました。聞くところによると25年ぶりだそうです。その記念すべき年にこちらにいられたことを感謝すると同時に、できれば涙と鼻水が凍てつく寒さをもう経験することなく、こちらで春を迎えたいと心から思います。

1. 3-4月の業務

1.1. World Heritage knowledge Bank

世界遺産プログラムは世界で最も歴史があり、国際社会のフロンティアで在り続ける自然保護制度です。

IUCNは1972年に世界遺産条約が採択された頃から一貫して専門機関としてユネスコに関わっており、1978年にガラパゴス諸島やイエローストーン国立公園が始めて世界遺産として登録された際にはそのOUVを見定める調査を実施しました。
World Heritage Knowledge bankとは、IUCNが過去に関わった世界自然遺産サイトに関する情報を集約しているフォルダで、私は今それらの資料の効率的なアーカイブを任されています。

国連の公用語である英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、中国語で書かれた膨大な資料を分析・アーカイブするのはなかなか大変ですが、世界史遺産の歴史の集約といっても過言ではない資料を見られるのは非常に貴重な機会です。
中でも、保護保全に関するに極めて重大な問題をIUCNが指摘し、その遺産が世界遺産会議で危機リストに登録され、その後の保有国の努力とIUCNの継続的なモニタリングによって危機リストから除外された一連の資料を見ると、IUCNの意義と存在感の大きさを思い知ります。