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【インターンシップレポート】「IUCN2018」藤井郁乃(3)

2019年2月22日 17時21分

人間総合科学研究科 世界遺産専攻 藤井郁乃

0. はじめに

月日が経つものは早いもので、ついにIUCNでのインターン終わりを迎えました。IUCN世界遺産プログラムチーム(以下WHP)の一員として、人生の中でも指折りの充実した学び多き時間を過ごせたことを心より感謝しています。

7月には、常に私の業務の中心にあった世界遺産委員会がバーレーンで開かれました。日中40度を超える気温の中で、その暑さに劣りもしない白熱した議論が交わされていました。

1.  世界遺産会議の概要

世界遺産会議とは、毎年一度世界遺産条約に加盟した国々が一挙に集って行われる国際会議です。会議は条約締結国(State parties)の出席の上で、6 年間の任期をもつ21の委員国が中心となって行われます。世界遺産に関わる様々な議論が交わされる場でありますが、中でも大きな議題は①既存登録物件の保全状況の確認と②新規登録物件の審議です。IUCNは既存案件のモニタリングと新規登録案件の評価を担っており、その両議題において中心的な役割を果たします。

1.2 世界遺産会議への出席

私はIUCNの使節団の一員として、主に2つの業務を担当しました。
1つ目が諮問機関によるサイドイベントのオーガナイズです。世界遺産委員会には、科学的知見を基に遺産の評価やモニタリングを行う諮問機関が3つあり、IUCNは自然遺産に関わる業務を担当しています。文化遺産に関わることはICOMOS, さらに文化遺産のうち保存や修復に関する業務に関わるのがICCROMです。これら3つの団体は、毎年世界遺産会議の開催期間において、時には別の国際組織と連携をとりながら世界遺産に関するイベントを連日開催しています。