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【インターンシップレポート】環境省信越自然環境事務所(白出晶太郎)

2021年12月23日 16時47分

生命地球科学研究群 地球科学学位プログラム 白出晶太郎

私は、環境省信越自然環境事務所中部山岳国立公園管理事務所でインターンシップを体験させていただきました。同事務所では、中部山岳国立公園内の自然環境や野生動物の保護管理、保全整備に関する業務のほかに、同公園南部地域の利用推進とサステナブルな地域づくりに関する業務を行っています。

インターンはオンラインでの実施で、初日に日本の国立公園と中部山岳国立公園の概要と利用推進に向けた取組についてお聞きしました。その後、”公園利用者アンケートの解析”と”南部地域におけるサステナブルな取組の現状把握”の2つのワークを通して、国立公園行政の立場から持続可能な地域づくりの実現のために地域の向かうべき方向性を考えました。その内容をレンジャーの方に報告し、その一部をインターン期間後に開催された「中部山岳国立公園南部地域利用推進協議会」でご利用いただきました。会議では、エリアブランディングと各地区の協働の重要性が関係者と共有できていることが印象的で、私の資料を意見交換の材料として利用していただけたことに嬉しく思いました。一方で、財源の確保や使途の整合性など、協働を進めるうえでの懸念事項については議論の余地があり、私自身考えの及んでいない部分が多いことを痛感しました。これらの課題について、地元関係者と協議を重ねて取組を決定するプロセスの一部を傍聴することができ、刺激的な経験になりました。

インターンを通じて、サステナブルな観光地域づくりに向けた課題やレンジャーの役割への理解を深めることができました。過疎化や高齢化が進む地域で、財源やマンパワーを確保しつづけ、持続的に事業に取り組むために、関係者間の連絡調整を担うレンジャーの役割は、利用に重点を置きつつも、景観の保護や生物多様性の確保への姿勢に通ずるものを感じました。また、業務が多様化・複雑化するなかでのレンジャーの視座に触れることができ、自分なりの自然保護を改めて考えるきっかけとなりました。

最後になりますが、このような機会を与えてくださった先生方と、お忙しいなかご指導くださいました中部山岳国立公園管理事務所所長の森川さまに心より御礼申し上げます。ありがとうございました。