お知らせ News

【インターンシップレポート】「林野庁国有林野部」木村祐貴

2020年1月22日 14時52分

「自然を守るために、自然を知って貰う」

生命環境科学研究科 生物資源科学専攻 木村祐貴

この夏、私は林野庁 国有林野部 経営企画課 国有林野総合利用推進室でインターンシップを体験させていただきました。この部署は、主な業務として国が管理する国民の森である「国有林」の管理方針の決定、また国有林の観光利用の推進や普及啓発、レクリエーション利用に関する仕事を行っており、通称レク室と呼ばれています。

今回のインターンでは、私は全国のレクリエーションの森のなかでも、特に優れた自然景観を有し、観光資源としての潜在能力が高いとして、平成29年に全国で93箇所選定された「日本美しの森 お薦め国有林」の広報業務として、パンフレット作成や広報誌の文章校正、またPR用動画の作成を担当させていただきました。

今回のインターンを振り返ると、自然保護に関連した公務員の仕事を実際に体験することができただけでなく、自然を守っていく上での「自然の価値を知って貰うこと」の重要性も共に学ぶことができたと感じています。今回私が担当させていただいた業務は、自然保護寄附講座で日頃学んでいるような直接的な自然保護を行う業務というよりは、自然の持つ美しさを一般の方々に発信し、知って貰う仕事が主となります。そのため、当初私は、今回のインターンは自然保護とは少し異なった分野の体験になると考えていました。しかし実際に仕事を体験してみると、そもそも自然を保護するためには、大前提として多くの人達にその美しい自然美や生態的な価値を知って貰う必要があることや、単に保護するだけではなく地域社会の観光資源として利用していくことが重要になることを思い知りました。すなわち自然保護のためには、保護したい気持ち以上に、まずその自然の価値を多くの人達に知ってもらい、使っていく努力が重要になるということです。一般的に自然保護というと、インターン参加前の私のように、国立公園や自然保護区のようなイメージが真っ先に浮かぶかもしれません。しかしそういった自然保護の裏側には、そこに至るまでに多くの人々がその自然の美しさや生態的な価値を理解し、また地域社会の努力によって観光産業が発達した背景があるからこそ、今日、美しい自然が残る場所として有名な地域となっているのだと考えます。

最後となりますが、お忙しい中、丁寧に業務の指導をしていただきましたレク室の皆様に心より感謝申し上げます。人生の大きな分岐点となる就活の前に、自身の自然保護に対する考え方が大きく変化する貴重な体験をすることができ、大変勉強になりました。
またこの記事を読んでいる皆様、ぜひ一度「レクリエーションの森 林野庁」でgoogle検索をして、身近にある美しい国有林を探してみてください!